今週、生まれも育ちも浅草橋の大学生とギターアンプを囲んでビールを飲む機会があったのだけど、「ああ、やっぱり浅草橋の生まれだよなあ」と久々に感じるところがあって羨ましく思った。
自分は荒川区の生まれで幼稚園から台東区。小学校も越境してたので、なんとなく地元色には染まらなかった。他人からみれば下町出身と思われるかも知れないが、そう思われるのもいやだし、下町の人に申し訳ないと思う。そんな自分から見て嫌いな映像はテレビでレポーターが上野や浅草の店で「下町で粋だねえ」とのたまうこと。レポーターに対しておもねる店にも違和感を覚える。
江戸っ子とは日本橋の擬宝珠から京橋の擬宝珠までの間だけど、本来の下町も日本橋から神田まで。神田上水の懸樋から先が下町の感覚だろう。谷崎潤一郎の「幼少期」では人形町の路地ごとに濃厚なコミュニティの世界を味わえるが、あの雰囲気だと思う。あとは植草甚一のエッセイと小林信彦の「私説東京放浪記」。「私説東京放浪記」の写真は荒木経惟が撮っているのだけど、三ノ輪出身のDNAで撮った写真はどれも素晴らしい。
